ヒトラーに逆らった牧師
Uボートの艦長から愛国主義的な牧師へ、ナチ党支持者から強制収容所の囚人へ、教会改革の指導者から平和運動の旗手へ、その激動の生涯!「はじめに彼らは共産党員に向かってきたが、私は声を上げなかった――共産党員ではなかったから。つぎに彼らは労働組合員に向かってきたが、私は声を上げなかった――労働組合員ではなかったから。それから彼らはユダヤ人に向かってきたが、私は声を上げなかった――ユダヤ人ではなかったから。そして彼らが私に向かってきたとき、私のために声を上げてくれる人はひとりも残っていなかった」この有名な言葉を残したニーメラーは、最初からリベラルな平和主義者なのではなかった。アメリカの気鋭の歴史家が、保守的な思想の持主であったニーメラーがいかにして自己変革を遂げていったかを、聖人視を排して史的・批判的に辿った最新の評伝。