ユダヤ教およびそこから分かれていったキリスト教において、「終末」をどう理解した上で「現在」をどう生きるかということが、難題を抱えたそれぞれの時代に向き合い希望を持ってそれらを乗り越えていくために、重要な要素であった。その「終末」を具体的にわたしたちがどう理解すべきかを聖書や現代思想から多角的に学んでみたい。本書は、2023年の聖書週間に上智大学キリスト教文化研究所の主催で行われた聖書講座をもとに、書き下ろした論考を収録した。
大貫 隆
神の国はあなたがたの〈内面に〉
―ルカ福音書一七章 21 節の ἐντός と禿鷲の言葉(ルカ一七 37)
福嶋 揚
破局のなかの希望
―よみがえる終末論
遠藤 勝信
創造と終末
―創造物語解釈の伝統とヨハネの黙示録の終末論