終末論的希望のなかから問い続けた「いのち」の賛歌と福祉の未来像。
本書が追求する主題は、人間の具体的な日常の生を拓いていく《希望というものの現実的な根拠》、その担ってきた歴史的役割とこれからの課題、さらに多くの困難を予感させる人間社会の新しい歴史的現実の選択の条件、未来社会に落ちてくる光と影に早くも映し出されていく人間関係の問題性とその新しい創造の条件など、《共生社会の将来を拓く力としての希望》を巡るさまざまな課題を可能な限り検討することである。これらの問題を、マルコ福音書の記録を通して考えていく。